1983年 – 2023年:40年にわたるエクセレンスの追求
シャトー·ラグランジュは、400年の歴史を誇るメドックの名門シャトーであり、1983年からはサントリー社(日本)による運営が続けられています。高みを目指す姿勢を崩すことなく、伝統とイノベーションとを巧みに融和させてまいりました。テロワールは1855年から変わることなく、畑の区画ごと、ヴィンテージごと、それぞれの魅力を最大限に引き出す、精緻さを極めたワインづくりです。2023年4月、サントリー社によるシャトー·ラグランジュ経営権の取得から40年の節目を記念して、祝賀レセプションを開催しました。ミシュラン三つ星シェフ、小林圭氏の監修で催されたガストロノミー·ディナーには、大切な顧客の皆様およびジャーナリストの皆様に多数お集まりいただきました。いつの時代もワインの品質を第一に、サントリー·グループの長期的ヴィジョンを改めて確認する素晴らしい機会となりました。
1983年、サントリー社創業者の息子にあたる佐治敬三がセンドーヤ家(1925年に経営権取得)からシャトー·ラグランジュを買収します。副社長である鳥井信一郎とともに、「妥協を許さないエクセレンス(秀逸であること)の追求」を理念とし、格付けグランクリュの復活事業に着手します。シャトー支配人としてボルドー醸造学研究所出身のマルセル·デュカスを迎え、鈴田健二、のちに椎名敬一と共にシャトーの采配を振りました。ラグランジュ購入からの初期10年間はチーム一丸となって主に修繕プロジェクトに取り組みました。1990年代半ばからは環境に配慮したサステナブルな事業方針を軸として、畑をさらに細分化し、栽培の精緻化を進めました。生産設備は全改築を実施し、シャトー本館に関しても、フランス特有の魅力あふれる空間にアジアの芸術作品を調和よくちりばめ、優雅な風合いを演出しています。
今日まで10年、マティウ·ボルド率いるチームが40年前からの「エクセレンスを追求する生産姿勢」を引き継ぎ、パーセル(区画別)醸造やカジェット(小箱)での収穫、光センサー式選果機の導入など、ワインづくりの精緻化がさらに加速しています。40年の月日を経て、ぶどう樹も十分生育し、樹齢も高まりました。ワインの品質はもちろん、国際的評価も高まり、新たなマーケットへの進出も果たしています。品質改善に向けた継続的な研究開発とCSRへの積極的な取り組みは、シャトー·ラグランジュの企業価値の向上にもつながっています。